タカオヒゴタイ

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キク科 Asteraceae
キク科 Compositae
下部の葉がバイオリン形に深く湾入することで知られるトウヒレン。
丈は35-60cm、下部の葉は7-11cmの卵形で中間部は大きく湾入し、先はツンと尖り、基部は心形、長柄がありますが翼はなく、茎にも翼はありません。根生葉はふつう花期にも見られますが、失われたものもある。
頭花は総状~散房状に付き、径2cmとやや大きく、総苞は鐘形でクモ毛があります。総苞片は7列で先は鋭く尖って開出し、外片は内片より短い。

 

2017.2.22 更新
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  • 葉2
  • ヤハズヒゴタイとの違い

タカオヒゴタイ-全体
ヤハズヒゴタイとミツトウゲヒゴタイ(本種とヤハズの交雑)などと紛らわしく、
総苞の形、片の数や形などで見分けました。この個体の葉の湾入は小さい。
(2008.10 山梨県三ッ峠山)

タカオヒゴタイ-全体2
タカオの名がありますが、分布の中心はこの山域ではないかと思われ、沢山見られます。
このエリアはトウヒレンの種類が非常に多く、交雑も様々あって、そのような経緯から
タカオ・・・は誕生したのではないかと勝手な想像をしています。(2010.9 山梨県三ッ峠山)

タカオヒゴタイ-全体3

10月末にもかかわらず、綺麗に咲いていましたが、葉はボロボロで、撮影に耐えなかった。
ここには似た他種はなく、安心して見れます。(2012.10 東京都高尾山)

タカオヒゴタイ-花

総包片は7列前後。
(2012.10 東京都高尾山)

タカオヒゴタイ-花2

総苞片は7列、先端は長く尖り、斜開していました。外片は短く、
披針形が典型ですが、卵形になるものも多い。(2012.10 東京都高尾山)

タカオヒゴタイ-花3
総苞外片が卵形になっており、
高尾山の典型よりキントキヒゴタイに寄った型(キントキ・・・は本種の変種)のようにも
感じますが、個体数はこちらのほうが多い。(2010.9 山梨県三ッ峠山)

タカオヒゴタイ-葉

下部の葉は長い柄があり、深く湾入します。基部が心形ですが、上部に行くに従い基部は切形~くさび形になり、湾入も浅くなる。右下は根生葉。(2008.10 山梨県御坂山塊)

タカオヒゴタイ-葉2

中部の葉は湾入しないものが多い。茎に翼はありませんが、中部の葉に少し見られた。
(2010.9 山梨県三ッ峠山)

本種は「葉が湾入する」という点が強調されていますが、山梨県内では同所的にヤハズヒゴタイがあり、こちらも湾入するものが多く見られます。

本種はヤハズヒゴタイに比して・・・

総苞の中央部がやや膨らんで大きく、片が7列前後で先が開出し、下部の葉が卵形であるものが多数、湾入部は曲線的で滑らかなものが多い。
(ヤハズヒゴタイは総苞の膨らみは小さく、片は5-6列でほとんど開出しない、下部の葉で湾入するものは長楕円形~長三角状で湾入部にも少し鋸歯がある傾向)

上記の葉の湾入の形状だけでは心許なく、翼のないこと(注)、総苞外片が短い等では判断に苦しむことが多く、更に両種の交雑であるミツトウゲヒゴタイ(両者の中間形態)もあるので、ますますわかりにくくなっています。


注 : ヤハズヒゴタイは基準地の富士山のものにははっきりした翼があるらしいですが、その他の地域は翼が薄いか、ないものも多いと感じます。