- 全体
- 花
- 花2
- 花3
- 花4
- 花5
- 葉
- 葉2
- 観察スペックの詳細
- 経緯
小花柄のなかほどに小さな片が見られます。小花柄の枯れたものかとも思いましたが、
先端に膨れはなく、容易には脱落しない・・・苞と思われます。(2018.5 千葉県D)
離生部はほぼ平滑に見えました。ごく短い毛があるようにも見えましたが、
はっきりしなかった。(2018.5 千葉県D)
花柄の基部は茎に合着しない。
(2018.5 千葉県D)
葉は6-10cmの楕円形~狭披針形。
(2018.5 千葉県D)
葉裏の小脈は僅かに隆起しますが、突起はない。脈にも突起はない。
(2018.5 千葉県D)
全体の印象はナルコユリによく似るが、多少花が左右に分かれる。 |
花の形から見て、ワニグチソウが絡む交雑種であることは間違いないのではと思いました。 まずドウモンワニグチソウ(x ミヤマナルコユリ)を疑いましたが、花糸離生部にあると言われる短い毛が確認できませんでした。葉の形も両親よりも細いのが気になり、同種と言われるものの外観写真を確認したいと思いましたが、どこにも見つかりませんでした。 花が細部までタカオワニグチソウ(x ナルコユリ)に似ているので、それも疑いましたが、苞の大小は問題ないとしても、苞が小花柄の中間部に付くので、違うのではないかと思いました。 コウライワニグチソウ(x ヒメイズイ)については葉の縁や裏面に突起が見られないことから、これも違うのではと思いました。ヒメイズイに関しては、今も北総地域に自生しており、かつてはこの地域でも見られた可能性は充分あると思っています。 周囲は宅地化が進んで他のアマドコロ属植物が見られなかったため、そこから交雑相手を推定することもできず、手詰まりとなりました。 単純なナルコユリの変異も考えました。そもそもナルコユリにも苞となる遺伝子が存在し、発現を抑制する遺伝子によって出現しない可能性があると思われ、そうであれば「奇形」として苞が出現してもおかしくないのではと思います。事実、全く別の場所で苞に見えるものが付いている個体も見つかりました。が、花の形はふつうのナルコユリでしたので、これとは違うと思いました。 !!! 些細なことでも結構ですので、お教えいただけると助かります。情報だけでも結構です。よろしくお願い申し上げます。 |