カントウタンポポ

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キク科 Asteraceae
キク科 Compositae
シナノタンポポヒロハタンポポの中間のような形態の2倍体タンポポです。
総苞片は緑色で15-16mm、外片は開出せず卵状楕円形~長楕円形で上部に小さな突起があり、内片の1/2-2/3程度です。
葉は羽状に裂けふつう深裂。
夏~秋にかけて、周囲の草丈が高くなると地上部が枯れて休眠するのもセイヨウタンポポとの違い。
セイヨウタンポポとの交雑で総苞が開出しないものも多数あります・・・「交雑種との違い」タブ参照。

 

2023.3.3 更新
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カントウタンポポ-全体

ここでは例年3月下旬ころから咲き始めます。
(2021.3 千葉市)

カントウタンポポ-全体2

ここにはまだまだ沢山ありますが、少し離れた所は一面のアイノコセイヨウタンポポ
いつまで純血を保っていられるのだろうか・・・。(2015.4 千葉市)

カントウタンポポ-全体3

心なしか控えめな和風に見えます。
(2015.4 千葉市)

カントウタンポポ-全体4

(2016.4 千葉市)


カントウタンポポ-全体5

セイヨウタンポポほどではありませんが、群生します。
(2016.3 千葉県四街道市)

カントウタンポポ-花

外片が内片に比べて1/2-2/3、
総苞外片の形や突起などは標準に近いもの。(2010.4 千葉市)

カントウタンポポ-花2

突起がやや小さいもの。総苞内片が外片と同じかやや長い程度の場合は、
総苞が開出していなくてもセイヨウタンポポとの交雑の可能性が高い。(2007.3 千葉市)

カントウタンポポ-花3

総苞にもクモ毛が見られました。
(2016.3 千葉県四街道市)

カントウタンポポ-花4

(2016.3 千葉市)


カントウタンポポ-花5

花粉は全て1倍体で同じ大きさのはずですが・・・。
(2017.3 千葉市)

カントウタンポポ-蕾

蕾はこんな状態から上がってくる。この状態で、突起がすでに確認できます。
(2013.3 千葉市)

カントウタンポポ-蕾2

(2023.3 千葉県四街道市)


カントウタンポポ-実

種子でセイヨウタンポポとの差異は判らなかった。
(2017.4 千葉市)

カントウタンポポ-葉

葉の蘊蓄(うんちく)もありますが、葉で見分けられた試しがない。ただ、セイヨウタンポポより細身で裂け方が細かいものが多いように感じます。(2015.3 千葉市)

アイノコセイヨウタンポポの中にも、総苞が開出しないものが多数あります。

本種であることを確認するためには、以下の4点の確認が必要です。

・総苞外片が狭卵形~広披針形であること (交雑では細いものが多い)
・総苞内片が外片の2倍長であること (交雑では片の長さの差が少ないものがある)
・中片、外片ともに密着していること (交雑では密着が緩く、外側に膨らみを持っているものが多い)

上記の1つでも当てはまらなければ、交雑(アイノコセイヨウタンポポ)である可能性が高いと思われます。

なお、同じ2倍体タンポポでも種によって微妙に挙動が異なり、ヒロハタンポポは交雑しにくいメカニズムを持っていると名古屋大学より発表されており、この見分け方法は、とりあえずカントウタンポポのみとお考え下さい。