APG 早池峰山の花

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2018.11.20 更新
■掲載種の範囲

小田越ルート(新・旧)、河原坊ルート、中岳~山頂~剣ヶ峰間、小田越~河原坊~うすゆき山荘間の林道沿い 、小田越山荘周辺、薬師川源流

■掲載種を観察した時期
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蛇紋岩地であることに加え、日本で最も古い地層の1つである北部北上帯に接すること、日本列島の形成初期において水没を免れたと想像される地域であること等々、数々の幸運に恵まれて、極めて特異な植物が数多く残されている極めて希有なエリアです。本州の高山帯より北海道の高山帯との類似性が見られるのも特徴の1つです。


■ 特徴的な植物 (2ページ目まで)
 
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ナンブイヌナズナ (アブラナ科)
6-7月 蛇紋岩帯岩礫地 -絶滅危惧1B類
丈は10cm程度で茎は橫に匍って広がり、見事な黄色いマット状になる綺麗な花。本州ではこの山周辺でしか見られない。
 
  イワウメ (イワウメ科)
7月 岩場
草丈5cm程度の矮性低木。岩を覆うように拡がります。葉は1cm前後と小さく、花も1cmで花冠5裂、雄しべと雌しべは同し高さで少し花冠から出る。
     
モイワシャジン (キキョウ科)
7-8月 岩場
葉は多くは輪生し、披針形~卵形で無柄、花は総状に付き、広鐘形で花柱は少し飛び出します。萼は披針形で全縁。
 
  ハヤチネウスユキソウ (キク科)
7月 蛇紋岩帯草原 -絶滅危惧1B類
早池峰山固有種。エーデルワイスに最もよく似ていると言われるウスユキソウ。高山性のウスユキソウとしては丈が大きく、茎葉の数も多い。
     
ガンジュアザミ (キク科)
8月 礫地 -絶滅危惧1B類
頭花は上向きで総苞片8-9列で長く斜開~開出するアザミ。葉は茎を抱きます。岩手県中部の高山帯に分布し、名の由来は「岩手」の音読み。
 
  ナガハキタアザミ (キク科)
8-9月 草地
頭花が多数、上部に集まって付きます。総苞が黒く片は4-6列。葉は三角状。北海道以外では唯一早池峰山に自生。
     
サマニヨモギ (キク科)
8月 砂礫地
茎はほとんど分枝せず、葉は2回羽状に深裂し、最終裂片は幅2mmほど。花は茎頂に総状に付き、総苞長さ10mm。北海道以外では八幡平とここのみ。
 
  ハヤチネコウモリ (キク科)
8月 草地 林縁
葉は三角状ほこ形で長さより幅が長く、5浅裂、柄に翼があり、基部に小さな耳があって茎をやや抱く。総苞片は5-7個、小花は8-9個。
     
ヒメコザクラ (サクラソウ科)
6月 蛇紋岩帯岩礫地 -絶滅危惧1A類
早池峰山固有種。東北の山でよく見るヒナザクラによく似ますが、葉に柄があり、花茎もあまり伸びず、花数も少ない印象。
 
  トチナイソウ (サクラソウ科)
6-7月 礫地 草地 -絶滅危惧1B類
サクラソウの仲間と異なり、基部から複数の短い茎を伸びして毛の多い葉を多数付けます。本州では早池峰山が唯一の自生地。
     
オサバグサ (ケシ科) -山麓-
6-7月 林内
葉はシダのように羽状全裂し、鈍い光沢があります。花は総状に付き、4弁花で下向きに咲く。薬師岳に向かうと大群落が見られます。
 
  アラゲヒョウタンボク/ナンブヒョウタンボク
(スイカズラ科) 5月 草地 林縁
1-2mの落葉低木で大きな2枚の苞に白~淡黄色の花が2つ付く。基準種のアラゲ・・は葉に毛が密生、品種ナンブ・・は葉裏が無毛。
     
チシマウスバスミレ (スミレ科)
5-6月 湿性地 -絶滅危惧2類
本来は北地の高層湿原で見られるスミレ。葉の鋸歯が重なり合わないのがウスバスミレとの違い。ウスバスミレもこの山で見られます。
 
  ナンブトラノオ (タデ科)
7-8月 蛇紋岩体砂礫地 -絶滅危惧1A類
早池峰山固有種。茎葉が小さくて目立たず、花序が短いのが特徴。花が他のトラノオにはない鮮やかなピンク色のものが多い。
     
チシマツガザクラ (ツツジ科)
7-8月 岩場 -絶滅危惧2類
花冠の裂片が平開すること、花柄が短く、下向きにならず、まとまって見えるのが特徴。本州では他に八甲田の1カ所で見られるのみ。
 
  ヒメシャクナゲ (ツツジ科)
6月 湿性地
丈は-30cm、花は普通5mmの壺形、葉の縁は裏面に反り返る。ここのものは花冠が卵形のカラフトヒメシャクナゲとされていたが、近年は本種に含める。