足尾山地南東部の地質

総論1-7 8.白馬周辺 9.唐松八方 10.南ア北部 11.富士周辺
12.秩父 13.足尾南東部 16.早池峰周辺 17. 利根川    


足尾山地は奥日光に近い北西部は火山起因で1500-2000mの標高がありますが、南東部の広い範囲は古い付加コンプレックスで、石灰岩チャートが多く陥入しています。

この図は、独立行政法人産業技術総合研究所地質調査総合センターの地質図、及び国土地理院地形図を参考にして、新たに作成しました。

 足尾山地の大部分を占める1000m以下の標高の低い部分は付加コンプレックス、北西部の1000m以上の地域は火山岩となっています。

 付加コンプレックスの地域は、秩父地域とよく似ていますが、秩父中央構造線の南側、西南日本外帯に属するのに対して、こちらは北側、西南日本内帯に属し、5000万年ほど古くて、1.5-2億年前のものです。

 石灰岩帯は佐野市-栃木市間に広がっていますが、低山で都市に近いためか、ほとんどが採掘場となっていて、特有の植物は少ししか見られません。

が、この地域はチャートがまとって広がっており、この地層に特徴づけられているように思います。鳴神山や石裂山など花でよく知られた山はチャートですし、カタクリなどで有名なみかも山などもチャートです。
   一方、コウシンソウで有名な庚申山は苦鉄質の火山岩です。この火山岩は蛇紋岩ほどではありませんが、マグネシュームと鉄を含みますので、量が多ければ植生に影響を及ぼす可能性があり、もしかしたらコウシンソウはそのためにムシトリスミレか何かが変異したものかもしれません。苦鉄質の火山岩地域にはツツジ類が多く見られるようにも感じますが、これらの植物のこの地質への適応力が他よりも高いためかもしれません。

また、井戸湿原のまわりの山は、花崗岩だったように記憶しています。



筆者はこの地域には疎いため、これ以上のことはわかりません。これから時々訪れて少しずつ勉強したいと思っています。


ご注意 地形図と地質図の間に、若干のズレが生じているかもしれません。
また、地質図を簡略化する際に誤りが生じている恐れもありますので、イメージとしてご利用ください