APG 岩泉・久慈石灰岩帯の花

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2018.11.12 更新
■掲載種の範囲

岩泉町 : 安家地区 乙茂地区 岩泉地区
久慈市 : 山根地区 大川目地区

■掲載種を観察した時期
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■ご注意

現地は2016.8の豪雨で大きな被害を受けました。自生地やアプローチのルートも一部被災しており、被災後の自生が確認できていない植物が含まれます。


岩泉町から久慈市にかけて、南北45km、東西最大4kmの東日本最大の石灰岩帯 (安家石灰岩帯) があります。広大なエリアの大部分は自然のままの姿を留めており、好石灰岩の宝庫になっています。


■ 特徴的な花
 
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キバナハタザオ (アブラナ科)
5-6月 石灰岩地
遠目にはキク科のような立ち姿。丈が1.5mほどあり、ほとんど分枝せず、茎頂に短い総状に花を付けます。葉は卵状楕円形で鋸歯縁。
 
  エゾオトギリ (オトギリソウ科)
6-7月 草地 -絶滅危惧2類
茎に2稜があり、稜上に黒点があるオトギリソウ。葉には明点が多数見られます。花はやや大きく、花弁は10-13mm。
     
イワギク (キク科)
10月 岩場
大陸由来の隔離分布種の典型的植物。葉が3-5中~深裂、根生葉には長柄があります。花径は5-6cmあります。
 
  トオノアザミ (キク科)
9月 林縁
岩手県中・北部のアザミ。頭花が上向きで総苞は筒型、片は11-12裂で縁が膜質、先が短く反曲します。あまり粘らない。側枝が鋭角的で短い。
     
キタカミアザミ (キク科)
8-9月 林縁
従来はナンブアザミと考えられていたが、近年別種とされた。両者はとてもよく似ますが、頭花が上を向き、柄がやや長い等の違いがある。
 
  ミョウギシャジン  (キキョウ科)
7-8月 岩場
岩から垂れ下がって咲ます。葉は一部が輪生状に付き、細く披針形で、極端なものは先が鎌形に湾曲します。花は総状に付き、萼の突起は不定。
     
イワテチャボカラマツ (キンポウゲ科)
5月 石灰岩地 -絶滅危惧1類相当
この地域の固有種。チャボカラマツに似るが、全草に腺毛が密生し、腺から出る粘液に臭気がある。花柄が長く伸び、花糸も長い。小葉は1cm前後。
 
  マルバサンキライ (サルトリイバラ科)
5月 石灰岩地
茎がツル状にならず、刺はなく、葉が4-7cmと小型です。花序も小さく、花が2-5個。サルマメと似ていますが、葉先が鈍頭になるのが異なる。
     
カイジンドウ (シソ科)
5-6月 草地 -絶滅危惧2類
葉は卵形~広卵形で粗く大きな鋸歯があります。花は穂状で、花冠は1-1.2cm、上唇は小さく、下唇は3裂し中央裂片が大きい。
 
  オオホタルサイコ (セリ科)
7-8月 草地 林縁
ホタルサイコの基準変種。ホタルサイコに比して小花が小さく、花柄が長く、小総苞片が小さくて細い。茎や葉に差異はない。
     
ミヤマラッキョウ (ヒガンバナ科)
6-7月 草地
葉の断面が円形ではなく、テープ状の線形、雄しべが花被より少し長いのがヤマラッキョウとの違い。ここでは石灰岩の岩場で見られます。
 
  キバナオウギ (マメ科)
5月 石灰岩地 -外来種-
漢方薬採取のため各地で栽培を試み、いずれも失敗しましたが、奇跡的に野生定着した唯一の自生地。タイツリオウギに似る。
     
ツルカメバソウ (ムラサキ科)
5-6月 林内 -絶滅危惧2類
茎の上部の葉腋から走出枝を出し、全体として地を匍う姿になります。花序は2分せず、一方が走出枝になるイメージです。
 
  ヤマスカシユリ (ユリ科)
6-7月 岩場 -準絶滅危惧
内陸のスカシユリ。葉が線形~狭披針形、茎の断面が丸いのが特徴。蕾にも毛がなく、花被間の隙間が少ない。