月山の花 

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2018.11.19 更新
■観察範囲

弥陀ヶ原~月山、姥沢~月山間の3ルート、志津上~装束場~稜線、清川行人小屋~月山、月山沢の一部、県道211の上部(臨時駐車場から上)

■掲載種を観察した時期
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■注意事項

頂上部の花は6月から咲き始めますが、この時期、雪に不慣れな方はアイゼンを用意されるのが無難です。また、姥沢側は雪原が非常に広いので、荒天時の下山に注意。石飛沢は朝夕、熊に注意。


東北を代表する信仰の山。出羽三山の湯殿山神社から羽黒山神社に至る中間に月山はあり、山頂標識のあるピーク北の最高地点に月山神社は奉られています。登山道は信仰の道でもあり、白装束に金剛杖を突いて三山巡りをされる方を見かけます。花も多彩で、高山植物の分界点の山でもあり、この山を南限、北限とする植物がいくつもあります。


■ 特徴的な花 (2ページ目まで)
 
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ハクセンナズナ (アブラナ科)
7月 湿った岩礫地
大型のアブラナ科植物で、丈は~1m、群生します。花序はブラシのようで花弁は白くて線形、萼も線形ですが褐色で目立ち、雄しべ6本のうち4本が長い。
 
  ハクサンオオバコ (オオバコ科)
7月 湿性地
高山性のオオバコ。花茎は~20cm、葉は柔らか、円頭か短く尖り、不明瞭な歯牙がある。全体に毛のないケナシハクサンオオバコも同所的にある。
     
ナンブタカネアザミ (キク科)
7-8月 草地
東北中部の高山性のあざみ。全体にとても刺々しい。頭花は枝先な1-4個が密に付き、総苞は鐘形で片は5列、長く斜開し鋭い。
 
  ウゴアザミ (キク科)
8月 草地
東北日本海側の高山性のあざみ。茎はあまり分枝しません。葉は厚く基部は茎に流れて茎の翼に続く。総苞片は6-7列で斜上します。
     
ヒナウスユキソウ (ミヤマウスユキソウ) (キク科)
6-7月 砂礫地
丈が6-15cmの小型のウスユキソウ。有花茎の葉は1-5個、狭倒披針形。頭花は茎頂に数個付き、苞葉を含めた全体の径は2.5-5cm。
 
  ウサギギク (キク科)
7-8月 草地
「子供のお花の絵」のような姿でよく知られた植物。が、エゾウサギギクも共棲しており、外観では見分けが付かない。
     
エゾノハクサンイチゲ (キンポウゲ科)
6-7月 草地
葉先があまり尖らず、裂ける数も少なく、裂け方が浅くて裂片の幅が広いのが特徴。果柄もあまり伸びない。月山にはハクサンイチゲもあります。
 
  エゾイチゲ (ヒロバヒメイチゲ) (キンポウゲ科)
7月 草地 林縁
小葉の幅が広いのが特徴のヒメイチゲ。丈も大きく8-18cm、花も大きく1.5-2cmで萼片は5-7個。近年はヒロバヒメイチゲに含められる。

 
 
ガッサントリカブト (キンポウゲ科)
8-9月 森林限界 -絶滅危惧2類
2倍体のトリカブト。花柄にごく短い屈毛があり、心皮に斜上毛と腺毛がある。葉は3中裂。月山には他に3種のトリカブがトある。
 
  イイデトリカブト (キンポウゲ科)
8-9月 林内 -絶滅危惧1A類
2倍体のトリカブトで、花柄にごく短い開出毛があり、心皮に斜上毛と腺毛がある。葉は5中裂~深裂。月山では林内にあり、極めて希。
     
ミツバノバイカオウレン (キンポウゲ科)
6-7月 雪どけ後の湿性地 林縁
葉は3個でで厚みと個宅があり、革質。花弁に見える萼はミツバオウレンなどよりふくよかで、先が丸く、僅かに凹むものが多い。
 
  エゾノリュウキンカ (キンポウゲ科)
5-6月 湿性地
茎はよく伸びて丈は50-80cmになります。根生葉はリュウキンカの約2倍の10-30cm、葉の鋸歯が鋭く尖ります。花は径3.5cm。
     
キンコウカ (キンコウカ科)
7-8月 湿原 
各地の湿原などで大群生し、月山では弥陀ヶ原が見事。花茎は20cm前後で花は総状に付き、花径15mm、花糸に縮毛が密生します。
 
  ヒナザクラ (サクラソウ科)
6-8月 湿った草地
東北の高山のサクラソウ。雪が溶けた後の草地で見られる。花は白色、喉部は黄色で2-8個ずつ付く。葉は無毛、ヘラ形で先だけ鋸歯があります。
     
マルバキンレイカ (スイカズラ科)
7月 やや湿ったところ
丈は30-70cm、葉は広卵形で羽状に浅裂し、コキンレイカのように掌状に切れ込まない。柄に翼がある。花は4-5mmで短い距があります。
 
  オゼコウホネ (スイレン科)
7-8月 池塘 -絶滅危惧2類
ネムロコウホネの変種で、柱頭盤が赤いのが特徴。浮葉は卵形~広卵形、沈水葉は広卵形~円心形で膜質。