2014年10月

 
トップページ
(2012) (2013) (2014) (2015) (2016) (2017) (2018) (2019) (2020)  

 
※ 日付はいずれも撮影日です。アップは不定期に行っています。
   
11.4 詩的なタカトウダイの紅葉  
タカトウダイ

いよいよ今年も大詰め。11月になりました。この季節になると、毎年同じような植物の写真ばかりになってしまいます。見て頂く方には退屈で面白くないのではと思いますが、私にとってはこの季節、ああ、今年も終わっちゃったなと郷愁にふけりたい気分になるので、どうしても定番の場所、定番の花に逢いに出かけてしまいます。

タカトウダイの紅葉もその1つ・・・珍しくも何ともないし、特別綺麗だとも思いませんが・・・この季節らしくて好きです。真っ赤になる一歩手前・・・派手さのないこのくらいがナチュラルで、詩的な秋を感じて一層郷愁を誘います。

タカトウダイ のページ

 

   
10.30 み~んな白花 -シロバナコシオガマ-  
シロバナコシオガマ

ふつう、白花というと、本来の色の群落の中にポツンとあるもの。だから、見慣れた花でも白花が見つかるとちょっとだけ徳した気持ちになります。

伊豆の山中の小さな集落に繋がる小径沿いに、白花のコシオガマが咲いていました。コシオガマの白花を見るのは初めてだったので、喜んで写真を撮りました。でも、そこからずっと、行けども行けども白花。それもすごい数で、今まで見たコシオガマの群落の比ではない。そして、本来のピンクの花なんか1つもない。

こんなことってあるんですね。でも、ここの地元の人、きっとコシオガマの花色は白だと思ってる。ピンク見たら喜ぶかも・・・。

シロバナコシオガマ のページ

   
10.23 田んぼのアキノキリンソウ  
アキノキリンソウ

妻の出身地は新潟県の超ド田舎。それも半端じゃない山間の豪雪地帯の小さな集落で、今もなお、二階にも玄関があるような家が普通に見られます。江戸っ子の私から見ると、よくぞこんな所で生まれた娘が、私の所に嫁いできてくれたものだと、変に感心してしまいます。

が、この集落、意外や意外で、休耕田や放棄田が少なくて、今もなお、山の上でも小さな棚田でお米が作られている、日本の原風景が完璧なまでに残されている美しい場所です。そんな田んぼの回りには外来種は少なく、ウメバチソウやダイモンジソウ、アキノキリンソウが普通に咲いていて、様々なスミレやショウジョウバカマも沢山ありました。

この歳になって、ここがこんな素敵な場所だったのかと感じることができるようになった気がします。知り合いはもう誰も残っていませんが、来年はここでもっと楽しもうと思いました。

アキノキリンソウ のページ

   
10.20 一人で探せなかったヒメシロアサザ  
ヒメシロアサザ

山ヤにとって、里の植物を探すのは、不得手。山だったら北側と南側で植生も違うし、沢だの岩場だの湿性地だの崩壊地だのと変化があってわかりやすい。高山ともなれば稜線は狭いし、歩いてさえいれば大抵いずれは見つかるもの。

でも、里はとっても広い。田んぼはいっぱいあってどこもみな同じに見えて、地元でない場合はどこ探したらいいかサッパリわからない。独力で調べて一人で歩いて探すのが楽しみでやってきましたが、ほとんど進歩せず、ギブアップ状態でした。

今年になって、水生植物をよく知る方が情報を下さるようになり、時に案内して頂いて、貴重な植物も見る事が出来るようになりました。今年、水生植物を多くアップしましたが、約半数はお世話になった成果です。この冬に水生植物も少しは勉強して、迷惑かけずになりたいと思っています。

ヒメシロアサザ のページ

   
10.19 春が来た・・・みたいな光景  
ホトケノザ

秋の花もめっきり減ってきた昨今ですが、近所では早春の花がだんだんと目に付くようになってきました。ナズナ、タネツケバナ、イヌガラシ、ノボロギク、オオイヌノフグリ・・・。千葉では10月下旬~11月頃は毎年早春の花が普通に見られます。

でも大抵は春のように大々的に群生せず、丈も小さくて点々とあるような感じです。写真にすると、背景がススキやセイタカアワダチソウになったり、ツユクサが混ざったりするのでトンチンカンな季節感になるのですが・・・。

草刈された田んぼの土手にびっしりと咲くこのホトケノザにはさすがにびっくりで、思わず撮ってしまいました。

ホトケノザ のページ

   
10.18 とうとう今年も晩秋に・・・ホソバリンドウ  
ホソバリンドウ

久々に成東の食虫植物群落に出かけました。もちろん、食虫植物はもう終わり、目的は別に何もなくて、シーズン終わりの恒例行事みたいな感じです。

まだ原を赤く染めるヤマラッキョウや、タカトウダイ、アリノトウグサの紅葉はまだでしたが、ホソバリンドウが咲き始めていました。今年は少し小ぶりのようですが、明るい空色の花が秋色の原に映えていました。

今年のシーズンももうすぐ終わるんだなあ・・・としみじみと感じました。

ホソバリンドウ のページ

   
10.17 御嶽災害に思う事  

御嶽山で不幸な災害があってから約3週間が立ちました。不運にも災害に巻き込まれて命を落とされた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご家族のご心痛は察して余るものがあり、同様の捜索の場面が回帰されて心が痛みます。残念ながら捜索が打ち切られましたが、尋常ではない状況の中、大きなストレスと多大な労力をもって探された方々に敬意を表したいと思います。明日は我が身、度々山に入る者として、ここから得る教訓、自分がそこにいたらどうしたら良いかを、ずっと考えていました。

この山がこの50年で噴火したのは3回。単純計算すると、山頂付近に1時間滞在するとして、予期せぬ噴火に遭遇する確率は山行1回あたり43万8千分の1・・・0.0002%、1年のうちで交通事故で怪我する確率より低い。この確率で起こった事故を未然に防ぐのはほとんど不可能で、個人レベルで万が一に備えるというのも、他のリスクが増大するだけのように感じます。

従って、遭遇した時の身の処し方で対処するしかない。今回、命を落とされた方の年齢分布が、登山人口の年齢分布に比して遙かに若いというのが気になりました。正午前後で中高年の方は山頂付近にたどり着いていない時間であった可能性もありますが、最初の瞬間、好奇心が災いしてわずかに対応が遅れたのかも知れないと思いました。登山者による噴火映像が多数あり、生命の危険が目前に迫っていることを即座に認識できなかったような気がします。集団心理から、登山者が多いことがかえって危機感を希薄にしたのかもしれません。ツイッターやフェイスブック等の文化も無関係ではないように思います。が、皮肉なことに、その映像が繰り返しTVで放映されることで多くの人が疑似体験することができ、今後同様の災害に対する危機感を教えて頂く結果になりました。
動ける時間が噴火直後から30秒~1分ほどあり、火山にいるという事前認識から直感的に危険を察知して逃げたか、起こったことを確認しようとしたかの違いが生死を分ける1つのカギのように思いました。

経験を積むにつれて山の怖さを益々感じるようになってきました。想定するリスクに対しての準備はそこそこしているつもりですが、まだまだ想像を遙かに超えたリスクがあるということを改めて教えられたような気がします。

   
10.10 金色の野 ・・・ キンエノコロ  
キンエノコロ

「そのもの青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」というのは、ジブリの「風の谷のナウシカ」に出てくる言い伝え。青のラガーシャツを着て、金色のキンエノコロかき分けて歩く今日の私は、さしずめ、伝説の勇者。

この季節、「金色の野」はいたるところにあり、イネ科の穂はキラキラと輝いてとても綺麗です。群生するし、枯れ花の見苦しさもないし、下手な花なんかよりよっぽど綺麗・・・もっともこれも花なんだけれど・・・。

抜けるような青空、黄金色に輝く稲穂、畦に咲くヒガンバナ、農家に庭には柿の実が・・・稔りの秋の象徴的風景。「金色の野」とは、自然と調和した里の秋の原風景。まだまだ日本中に沢山ある。「失われし大地との絆を結びついに人々を青き清浄の地へ導かん」・・・これからも益々「清浄の地」で戯れ遊びたいと思っています。

(イネ科は掲載しておりません)

   
10.8 たくさんあると有り難み半減、アブノメ  
アブノメ

昨年、近所で20株ほどはじめて見つけて大喜びしたのですが、今年、昨年の場所から500mほどの休耕田で、ものすごい数のアブノメが群生しているのを発見しました。たぶん1000株やそこらじゃない、写真では後ろも全部アブノメ。

この休耕田、ここ数年耕作はしていませんが、近くに湧水があって湧水が田んぼ数枚を貫いて流路を作っているような場所。いつでも再開できるように管理されていて、昨年は田起こしもされてました。夏は毎年除草剤も使ってる。

今までも何株かはあったかもしれませんが、これだけの数、昨年まで見逃していたとは思えず、今年、大発生したみたいです。言われているほど弱い植物ではないようで、最近の弱い除草剤に耐えるみたい。水質と水量が重要なのかも。でも、これだけ見てしまうと私の中ではそれほど貴重に感じなくなってしまって、ちょっと残念な気もします。

アブノメ のページ

   
10.7 台風の通過中に思い出したミズネコノオ  
ミズネコノオ

台風18号の前々日、近所の今までと違う場所でもミズネコノオが沢山咲いていたよとメールを頂いて、台風が来る前に見に行こうと思ったら、翌日は朝から雨。台風で痛めつけられなければ良いが・・・と思っていました。

台風が去った午後、いてもたってもいられず見に行ったら・・・田んぼは満々と水をたたえていてほとんど池、長靴履いても入れそうにない。畦近くにいくつかありましたが花が付いていなくてほとんどボウズ。こりゃ今年はもうダメかなと・・・。が、あきらめきれず、翌日、もう1回見に行ってきました。そしたら・・・咲いてくれました。ホッとしました。

しかし、5cm以上水が溜まった中に立って水上に10cmしかない植物のわずか2mmの花を撮るのは結構至難。ヒザが付けないのでほとんど筋力トレーニング。時間がかかるから息も持たず、がんばってもこんなもんしか撮れませんでした。

ミズネコノオ のページ

   
10.2 アザミには翻弄される  
フタマタアザミ

今年はアザミを徹底的に見て回ろうと、半年前から予定して、8月は夏バテ防止で山にもあまり行かず、おとなしくして臨みました。

アザミはどこにでもあり、丈も大きいのですぐ目に入るのですが・・・紛らわしいのがいっぱい。1カ所や2カ所見ただけではとてもじゃないけどわからない。2-3時間、長いものでは1日ウロウロ歩きわまってました。今年の9月は涼しかったからいいようなものの、昨年だったらきっと熱中症で野垂れ死んでいたかも・・・と思いながら・・・。

一通り終わって今思うことは・・・違いが微妙すぎて撮影地を隠して「これ何だ」と言われたらたぶん・・・わからない(笑い)。結局その程度の理解しか出来ませんでした。そう思って見て頂ければと思います。

写真は・・・フタマタアザミ

   
9.30 火打秋景  
天狗の庭

3カ月ぶりに、このコーナーを再開しました。つまらない内容ですが、よろしかったらまたご覧下さい。

毎度ひとりで山をフラフラしているもので、毎年10月は家族サービスの月・・・ということで、まずは独り立ちした長男を連れて、妙高・火打に日帰りで出かけました。この山に来るのは30年ぶり、天狗の庭も昔の美しいイメージのままでしたが、登山道がとてもよく整備されていて、びっくりしました。

紅葉はまだちょっと早いだろうと思っていたのですが、すでに最盛期を迎えていました。上で出会った方が1週間前に月山に行ったそうで、既に山頂部のナナカマドも真っ赤で草紅葉も綺麗だたっとか・・・。今年はどこも秋が早いようです。