APG 北岳の花

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2018.11.21 更新
■観察範囲

・大樺沢下部・・・広河原-三俣のやや下、広河原-御池、以上の林内
・大樺沢上部・・・三俣のやや下-八本歯、三俣・御池-肩稜線下、以上のダケカンバ帯や草原
・稜線部・・・小太郎山-山頂-北岳山荘、八本歯-主稜線、トラバース道、山荘周辺

■掲載種を観察した時期
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日本第二位の高峰は、同時に花の山としても知られます。早川の源流に周囲をぐるりと囲まれ、その周りを千丈、甲斐駒、鳳凰が要塞のように取り囲んでおり、固有に進化した植物も多く、花好きにはたまらない山の1つです。

(※ 高山=稜線および稜線に続く斜面 亜高山=大樺沢上部(二股の少し下より上) 山地=大樺沢下部 で記述)

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■ 特徴的な植物 (2ページ目まで)
ハクホウナズナ (アブラナ科) 
7月 高山 岩礫地 -絶滅危惧1B類
丈は10cm程度、花は茎頂にリング状に密に付きます。根生葉は腺状披針形、茎葉は狭長披針形でいずれにも星状毛が見られます。
 
  シロウマナズナ (アブラナ科)
7月 高山 岩礫地 -絶滅危惧1B類
丈は10cmほど、茎頂に少数がまとまって花が付き、花序は伸びない。葉はヘラ形~長楕円形で1-2対の鋸歯があります。
     
クモマナズナ (アブラナ科)
6-7月 高山 礫地 -絶滅危惧2類
丈は20cm、根生葉には星状毛が密生します。茎葉とともに鋸歯し1-5対。花は総状に付き、花弁6mmで先が少し凹みます。
 
  イワウメ (イワウメ科)
7月 高山 岩場
草丈5cm程度の矮性低木。岩を覆うように拡がります。葉は1cm前後と小さく、花も1cmで花冠5裂、雄しべと雌しべは同し高さで少し花冠から出る。
     
アカイシミヤマクワガタ (オオバコ科)
7-8月 高山 砂礫地
ミヤマクワガタの変化型で、花色の赤いもの。南アで広く見られる型で、ミヤマクワガタに含まれる。

 
  シナノヒメクワガタ (オオバコ科)
7-8月 高山 乾いた草地
ヒメクワガタの変種で果実の先が凹まないものです。外観はヒメクワガタと全く同じで、葉は卵状楕円形で浅い鋸歯があり、花は径5-6mm。
     
マルバダケブキ (キク科)
7-8月 亜高山・山地 草地 明るい林内
丈は1m弱前後、根生葉は腎炎形で柄は盾状に付く。頭花は散房状に付き、径8cm、舌状花は10個前後、総苞はビロード状に縮毛に覆われている。
 
  カイタカラコウ (キク科)
7-8月 山地 湿った草地
丈は40-70cm、根生葉はほこ状心形で柄は長く、盾状に付く。頭花は総状に4-11個付き、舌状花はふつう5個、花柄が1-7cmあり、基部に苞付く。
     
キタダケヨモギ (キク科)
7-8月 高山 礫地 -絶滅危惧1B類
丈は20-30cm程度、有花茎の葉は銀白色で2-3回裂けて裂片は線形~広線形。花は細い円錐状に付き2-4mmで下向きに咲きます。
 
  ハハコヨモギ (キク科)
7-8月 高山 砂礫地 -絶滅危惧2類
茎は叢生し、丈は10-15cm、葉は多くは根生し、青みがあり、掌状に2回裂けます。茎葉は小さい。花は密な散房状に付きます。
     
センジョウアザミ (キク科)
8-9月 山地 草地
亜高山帯で見られるアザミ。総苞は鐘形でよく粘り、片は8-9列、開出・反曲します。葉の基部は茎をだきます。
 
  ホウキアザミ (キク科)
8-9月 山地・亜高山 林縁 草地
山地帯上部で見られるアザミ。総苞は細い筒型で粘り、片は7-8列、開出して反り返ります。葉の基部は茎をだかない。
     
シラネヒゴタイ (キク科)
8月 高山 礫地
丈は20cm低度まで、葉は不規則に羽状に裂けます。頭花は少なく、多くは1-5個、総苞は黒紫色で片の先は尾状。
 
  ヤハズヒゴタイ (キク科)
8-9月 亜高山 草地
総苞片5列の変化の多いトウヒレン。ふつう葉柄に翼があり茎に流れる。近年4つに分ける考えがあり、それに従うとここのものは(新)タカネヒゴタイ。
     
ヤツガタケタンポポ (キク科)
7-8月 高山 砂礫地
総苞が暗い緑色で外片は内片の半長で卵形、突起のないタンポポ。頭花はやや小型。八ヶ岳よりも見つけやすい。
 
  アカイシコウゾリナ (キク科)
8-9月 山地 河原 荒れ地
コウゾリナの変種で、葉が腺状披針形で総苞の剛毛が少ないものです。頭花は径2-2.5cmと基準種と変わらない。広河原周辺で見られる。
     
キタダケソウ (キンポウゲ科)
6-7月 高山 石灰岩地 -絶滅危惧2類
葉は2-3回3出複葉で小葉は扇形でさらに裂けます。花は茎頂に1-2個で、花弁が7-8個あり、萼片は5個。
 
  キタダケキンポウゲ (キンポウゲ科)
6-7月 高山 礫地 -絶滅危惧1B類
丈は小さく10-20cm、根生葉は3深裂、さらに2-3中~深裂。茎葉は2-3個で裂片は線形。花は茎頂に1つで径1.5cm。
     
キタダケトリカブト (キンポウゲ科)
7-8月 高山 草地 -絶滅危惧1A類
北岳固有種。小型のトリカブトで丈は30cm前後、葉は基部付近まで3深裂し側裂片は2裂し最終裂片は線形。花柄の毛は屈毛、萼はほぼ無毛。
 
  キタザワブシ (キンポウゲ科)
7-8月 山地・亜高山 草地 -絶滅危惧2類
葉は基部付近まで2-3深裂し、裂片は倒披針形でさらに裂けます。花柄の毛は屈毛、萼にも屈毛がある。なお、このほかにホソバトリカブトも自生します。