2012年7月

 
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※ 日付はいずれも撮影日です。アップは不定期に行っています。
   
7.31 26年ぶりの南八甲田・櫛が峰  

26年前、偶然に撮影したネムロコウホネを撮り直そうと櫛が峰に入りました。ご存じの方も多いと思いますが、この山、南八甲田の最奥部にあり、明治時代に作られた旧県道(雪中行軍の遭難がなければ、辿るはずであった道、現在は廃道)を辿って入ります。26年前は途中、背丈を超えるクマザサの藪漕ぎとなりましたが、それほど厳しいという記憶はなかったので、心構えもせずに入りました・・・が・・・。
登山口付近から灌木の枝が道をふさぐように伸びていて、進めば進むほど藪は深くなり、途中からは獣道以下、視界は1-2m、足下も見えない所もあって、一人心細く思いながら、それでもコンホネのある池塘を目指しました。
それなのに、目指す池塘はなく、がっくり。せっかくだからと山頂に立ち、少し先の池塘も覗こうかと行ってみましたが、かつての道は完全に藪に閉ざされて断念。往復10時間、最後まで誰とも出会わず、ストレスの多い山行でした。
(写真は櫛が峰と直下の湿原帯に咲くキンコウカ)

   
7.30 カセンソウとオグルマ、やっと納得  

図鑑に違いも書かれているのに見分ける自信がないものって、ありませんでしょうか? カセンソウとオグルマ、葉の幅とか葉脈の窪みだとか、頭ではわかっているのに実際にはどっちだろうと迷ってしまう・・・この2種、見る機会が少なかったので時々わからなくなっていました。
今回この2つを沢山見る機会があり、笑われるかもしれませんが、やっと自分で納得できる見分け方が分かりました。茎を手で軽く押し倒してみた時の感触が全然違う・・・。

外観などで種を判断するということは、多分に感覚的なので、自分なりに納得していくことが重要ってことですね。時々それが間違えていてご迷惑をおかけしますが、お許し下されば助かります。

カセンソウ (写真) のページへ
オグルマのページへ

   
7.29 水湿地では望遠系マクロが欲しい  

今年の夏は、湿性地や沼地の植物にハマり気味で、今まであまり関心がなかったヒルムシロの仲間なども少し勉強しています。過去に撮影したものも、全体が分かる写真になっていなかったので撮り直したいと思い、あちこち出かけています。

が、水湿地ではなかなか花に近づけない上に、花の小さいものが多いこともあり、今使っているレンズ(標準~広角系のマクロレンズと普通の望遠レンズ)では、1m程度の距離でも細かな所がうまく撮影出来ません。手持ちのいい加減な撮影ということもあって、望遠系のマクロは無理だろうと最初からあきらめていましたが、そろそろ考えて練習しないとと思っている昨今です。

ホザキノミミカキグサ(写真左) のページへ
ミミカキグサ(写真右) のページへ

   
7.25 今年は小さいゴマノハグサ  

近所の草地にゴマノハグサが沢山見られる場所があります。普通ならばこの時期、背丈以上になるのですが、まだ多くは小学生くらいの丈にしかなっていません。(写真は見上げて撮影して、大きく見せかけました。)

ここ何日か蒸し暑い日が続いて今年の夏は暑いようにも感じますが、6月以降、千葉で平均気温が平年値を超えたのは7月中旬くらいで、後はずっと少し下回っています。人間様は何日か暑い日が続くと、涼しかった日の事を忘れて「今年の夏は暑い」とか言いますが、植物はちゃんと過去の天候を記録しているんですね。

あまり涼しいとお米も取れなくなりますし、花も綺麗に咲いてくれませんから、夏はほどほど暑くなってくれないと困るんですが、それでも仕事も生活も撮影も、暑い夏は辛いですね。

ゴマノハグサ のページへ

   
7.24 やっぱり格が違う・・・女王ヤマユリ  

今年もこの花が近所の野に咲きました。今年は10輪前後花を付けるものが複数あって、とても綺麗です。

この花、やはり他の野草とは全然格が全然違いますね。遠くからでもはっきり分かる大きく美しい花、草原に漂う香り、1株でも周囲の雰囲気を一変させる圧倒的な存在感、豪華ですが、清楚さを忘れていない所がいいですね。そして、この花が特別な場所ではなく、里山などで普通に見られるという、もったいぶっていない所も素敵です。

綺麗で可憐な野草はいろいろあるけれど、この花は遙か別格。たぶん園芸種に混ざって咲いていたって存在感が失せることはないと思います。
誰からも親しみを持って愛され続ける女王、ヤマユリ・・・永遠に日本の夏の野山に咲き続けてもらいたい花です。

ヤマユリ のページ

   
7.14 濃霧と暴風でやっとイワテハタザオを見つけましたが・・・  

青森での仕事を終え、天気が崩れる予報なのでそのまま帰るつもりでしたが、せっかくの土曜日、ちょっとは天気が持ちそうな気がして、以前から気になっていたイワテハタザオの典型を見ようと、網張から岩手山に上がることにしました。

山頂は視界10m、15m/s前後の強風で、あげくの果てに、時期が遅くて咲き残りすら見つからない(ガスが濃くてよく見えないせいもある)。適当に少し下りてあれあれしてやっと僅かに咲き残っているのを見つけて、風の合間にやっと撮ったら、今度はここは何処?というハメになりました。仕方なく、こういう時の鉄則で再び山頂まで逆戻り。そんなこんなで往復8時間かかり、結局その日に家に帰るのはあきらめました。

イワテハタザオのページ

   
7.11 津波に負けなかった八戸・種差海岸  

大震災以来3度目の訪問となった八戸、初めて花が最も多く咲きそろう7月に種差を訪れることが出来ました。6mもの津波を受け、砂浜などがえぐられたり、花畑が砂で埋まったり、松林の一部も枯れ始めていると知ってとても心配しましたが、岩場の花たちは以前と全く変わりなくすばらしく咲きそろっていました。

遊歩道の一部や案内板なども全て復旧していて、早くも被災地の面影はありません。おそらく地元の方達の多大なご努力の成果だと思いますが、誰でも安心して楽しめる種差海岸に戻っていました。存分に楽しませて頂きました。

花の好きな方なら感激すること必至のお勧めスポットです。

   
7.11 オオセッカだと思ったのに・・・コヨシキリ  

濃い霧の中、三沢市の湿地で望遠レンズで水生植物を撮影中に霧が一時的に霧が薄れたら、近くに鳥がいました。オオセッカだ・・・と思い連写でシャッターを切りました。この湿原はこの鳥の営巣地として有名で、とてもよく見られると聞いていたからですだからです。こんな写真撮ったら、きっと鳥好きの友人も喜ぶだろうと、嬉々として帰りました。

でも、家に帰ってよく見たら・・・コヨシキリでした。それでも、もしかして背中に斑点がある(オオセッカの特長)んじゃないかと、祈るような気持ちで写真を片っ端から見て探しましたが、やっぱりありませんでした。

やっぱり鳥は難しいと改めて思いました。

   
7.9 ヤチタデを見つけました  

ヒルムシロかと思っていたら、どうも違う。花弁があって葉の葉脈も違う・・・タデ科のようだと思っていろいろ調べたら、本種だと分かりました。

この種、朝鮮半島や沿海州にあるらしく、韓国後やロシア語のサイトでいくつか掲載がありましたが、日本語の資料は全くなく、単純に考えれば「外来種」です。でも、水流で種子が運ばれるようですし、見られた場所が日本海の砂丘後背湿地(沼)。もしかしたら、遠い昔、波で運ばれて細々とここで生き延びてきたのではないかと思いをはせています。

もしそうならば大発見ですが、個人ではこれ以上調べようがないので、今のところは「外来種」ということで・・・。

2012.10.22 追記:この植物はヤチタデではなく、エゾノミズタデと判明しました。

   
7.8 虫食いじゃなかった・・・ウズラハクサンチドリ  

大抵、普通のハクサンチドリに混じってあるので、ずっと虫食いかと思っていました。普通のハクサンチドリに比べてあまり綺麗ではないので、これまで1枚も写真を撮影していませんでした。

今回、すれ違った方が・・・「斑入りのハクサンチドリだ!」とおっしゃったので、あれ、変種なのかなと思い、調べて見たら・・・。

今まで見た他の種でも、こういうのが沢山あるはずで、勝手に母種と思い込んで見流してしまっていると思います。知れば知るほどいろいろ出てくる、際限のないところが面白いところでしょうか・・・。

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7.5 埼玉県デビュー ・・・キバナコウリンカ  

東北と関東甲信越・・・という大層な副題を付けましたが、実は埼玉県の写真は今まで1枚もありませんでした。千葉と埼玉は仲が悪いという話もありますが、そういう訳ではなく、距離が中途半端で埼玉県内の東西横断も混雑で難しいため、山を始めた頃から40年間ずっと逃げ回っていました。

が、ここでしか見られない石灰岩やチャートの山の花々もあり、いよいよデビューの運びとなりました。その第一号がこの花。低山ながらとても良い山で、他にも貴重な花を数種カメラに納めさせて頂きました。
昨年より、南蔵王もテーマに加えて、苦手の宮城県もスタートしましたから、これでやっとサブタイトル通りの全県最低1カ所体制が整いました。

キバナコウリンカのページ