2015年4月

 
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※ 日付はいずれも撮影日です。アップは不定期に行っています。
   
4.28 自生のエビネ  
エビネ

千葉市内では、野草園などで植栽のものしか見られなくなってしまったエビネ。おそらく、盗掘されてしまっただけでなく、森が荒れて消えてしまったものも多かったのではないかと思います。

写真は市内で残り少ない自生地のもの。ここでは、この1株だけがかろうじて残っています。本来、この植物はこのような雑然とした森に点々と咲く花。野草園の花壇や鉢植えにすれば綺麗に見えるかも知れませんが、やはり趣が全然違う。写真としては綺麗ではないかも知れませんが、野にある花は野に咲いてこその良さがあり、今年も足が向いてしまいました。

周囲ではキンランも点々とあり、昔は負けず劣らずあったのではないかと思います。そんな光景、見てみたかったなと思います。

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4.27 島国・千葉の良し悪し  
オオカワヂシャ

千葉県はある意味、島国。隣県に行くには必ず利根川か江戸川を渡らないと行けません。つまり、県内の河川は、全部、県内が源流。関東平野らしい植物は、利根川や荒川などの河川が重要な役割を果たしていますが、千葉県の大部分は悲しいかな蚊帳の外。県境の江戸川か利根川に行くしかありません。

そんなわけで、対岸にライバル・埼玉県が見える場所に出かけました。小さな砂州に、普段見られないような植物が花盛りでした。意外な所では、コオニタビラコなども咲いていました。更に、外来種がいろいろ。

左の写真は特定外来生物のオオカワヂシャ。私の家の近くは準絶滅危惧種のカワヂシャは沢山ありますが、これはない。こういう所は島国の良いところかなと思いました。

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4.24 白馬村のフクジュソウ  
フクジュソウ

昨年、地震に見舞われた白馬村の知人に、見舞いと称して立ち寄りました。

大丈夫、たいしたことない・・・と言ってはいましたが、モルタルの壁にヒビが何本も入っていたり、玄関に飾ってあった素敵な花瓶がなくなっていたりと、やはり大変だったことが忍ばれました。村内の道路はあちこちで工事中。雪融けが遅くて復旧工事の着手が遅れたみたいです。

そのついでに・・・???・・・姫川のフクジュソウ群生地を訪れました。まだ半分以上がびっしりと雪に覆われていて、ちょっとびっくり。ちょうどGWあたりが見頃になりそうです。もう何も支障はないですし、この群生地はホントに見事ですから、いかがでしょうか・・・。白馬連峰も雪が多くて、朝のモルゲンロートは壮観でした。

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4.25 ケブカツルカコソウ もう咲いていた  
ケブカツルカコソウ

ケブカツルカコソウ、どこまで咲く準備が出来たかな・・・と思って見てみたら・・・咲いていました。それも1株や2株ではなく、3割くらいで咲いていて、ちょっとびっくりでした。

ずっと5月10日頃に咲き出す花だと思っていました。4月中旬頃から咲き進むのが早まった気がしてましたが、いくらりなんでも2週間も早まることはないと思いますから、今までずっと私だけ勝手にそう思い込んでいた見たいです。そもそもこの花、毛が多いし、花色も淡いので、大きくならないと草地に紛れてしまう。ようは気づけなかっただけ見たいです。

そういえば、キンラン、咲き始めていました。こちらは目立つので10m以上離れていてもなんとなくわかる。ササバギンランは花芽がなくて今年はダメみたい。ギンランは1つだけ咲いていました。

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4.22 雪国の春は・・・  
カタクリ

雪国の春を象徴する花といえば、何たってこの花。雪に閉ざされた長い冬が明けて、春の喜びを炸裂させて、これ以上ないというくらいド派手に咲いてくれるこの花、関東でも群生地はあちこちにありますが、やっぱり本場ものを見たくて、今年も見に出かけました。

長雨でちょっと時期が遅れてしまったので、山の下のほうは終わりかけでしたが、上っていくとまだまだ沢山咲いていました。一応、山道はあったのですが、その道の上にも沢山咲いていて、途中から道がよく判らなくなりました。お天気も最高で、そんな中でコンビニで買ったおにぎり食べて、コーヒー飲んで、まわりはずっとカタクリ一色・・・存分に楽しんできました。 ・・・が、カタクリ一色が災いして、帰路は元の道に戻れず、全然違う所に下りてしまいました。

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4.20 キンラン もうすぐ  
キンラン

4月に入ると雨ばかり、桜もいつのまにか終わってしまって、春らしいウララ感をじっくり味わう日も少なくて、残念に思っていました。でもここ数日、急に季節の進みが早くなって、庭のフジも例年より1週間以上早く咲き始めて、春後半のような感じになってきました。

そして林の中ではキンランがもうすぐ咲き出しそうです。このあたり、キンランは多くあるのですが、ギンランはとても少ない。ふつう、逆の場合が多くて、キンランは絶滅危惧種になっていますが、何かの間違えじゃないのかと思うくらいあります。

そういえば最近、茨城県の方がヒメウズが見たいとおっしゃってびっくりしました。ところ変われば・・・ですね。

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4.19 ススヤアカバナ 今年も健在  
ススヤアカバナ

昨年、千葉県の自生を公式に確認していただいたススヤアカバナ、今年も無事、芽出しを確認しました。推定で100-200株ほどが1枚の田んぼで見つかりました。一緒に50株程度のノダアカバナ(カラフトアカバナ)の芽出しも確認できました。

まだ丈は5-10cm程度ですが、一緒に確認したノダアカバナと比べると、すでに特徴がはっきりしており、茎の白毛が目立ち、葉の両面の毛もびっしりとあってやや青白く見えました。立ち位置から一見すると、近くに沢山あるハルジョオンとも似ていますが、茎の毛はそこまで長くはありません。他のアカバナ属同様、ロゼットは形成しないことも判りました。また、今年も周囲の休耕田には拡がっていないようでした。

そんなに綺麗な花ではありませんが、今年も夏前に沢山見られそうです。草刈されなければ・・・。

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4.18 イカリソウ が判らなくなってきた  
イカリソウ

判っているつもりだったものが、突然判らなくなることがあります。イカリソウ、花弁4、内萼片4、外萼片4・・・と図鑑の記述をそのまま受けて、他には何もないものだと思っていました。が、撮り直しをしたら・・・外萼片の外側に更に小さな片が1対、時に2対あることがわかりました。(矢印)

外萼片の外側が膜質なので、最初はそのように見えるだけだろう・・・と思っていましたが、どうやら違う。苞だろう・・・と思って見直したら、柄の基部に1mmくらいのちっちゃな片がある・・・・じゃ、これ、何だ・・・ということになりました。

いろんな図鑑ひっくり返したり、インターネットで見てみたりしたけど、判らない・・・・でも、他の方の写真にもこの片が写っている写真がありましたので、普通にあるものらしい。で、「小苞」と置いてみました。ご存じの方、是非後教唆ください。

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4.17 サワオグルマ 今年も 「爆咲き」  
サワオグルマ

中国からいらした観光客の「爆買」が何かと話題になりますが、こちらは「爆咲き」。今年も田んぼのサワオグルマが一斉に咲き出しました。昨年より更に勢いを増して、今年は3カ所、休耕田10枚くらい、もう1000株なんて数ではきかないような数になってます。一番最初に増え始めた田んぼは写真よりもっと立派な株が沢山で、写真撮ったら、野草じゃないみたいになったしまったので、中庸のものを選びました。

これが見られるのも、休耕田の持ち主が適度に草刈だけは続けて頂いているので、アシが侵入しないから。これだけ派手に咲いているので、多少は意識して頂いてるんでしょうね。感謝です。

まだ咲いてない株も沢山、もう1週間たつと、チガヤとコラボして、もっと綺麗になります。

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4.16 芽出しのなぞなぞ・・・コモウセンゴケ  
コモウセンゴケ

この季節、いろいろな植物の芽出しを見るのは楽しみの1つ。ちょっとしたゲームのような感じ。「私はいったいだれでしょう・・・」と問いかけられているような感じです。

このゲーム、少なくともよく知った所じゃないと私には勝ち目がありません。それでも、判らないものも沢山。そういったものは無視して、勝ち目がありそうなものを選んで、挑戦してます。

写真はコモウセンゴケ。1枚目の葉が展開し始めたところで、この写真の横幅は約1cm。展開していない葉は赤ちゃんの握り拳みたい。こういうちっちゃいのが判るととっても嬉しい。今日はオトギリソウの2cmくらいの芽も見付けました。

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4.15 ウラシマソウ・・・モモタロソウ???・・・キンタロソウ???  
ウラシマソウ

「こんなに雨が続く4月は異常気象だ!」・・・ってすぐTVは騒ぐので、ちょっと4月上旬の千葉の記録、調べてみたら、
2015年 平均気温 11.1 平均湿度 76 日照時間 26.4
1998年 平均気温 11.0 平均湿度 78 日照時間 28.9
・・・とうり二つの記録が・・・確かに日照時間は平年の半分以下だけど、20年に一度くらいはあるんですね。

雨の予報だったのに朝起きたら雲ひとつない快晴。また、いつ降るか判らないので、とりあえず出かけてみました。が、寒かったせいか、数日前とあまり代わり映えせず、ただ、蕾だったウラシマソウがあちこちで咲いていました。

ps. 最近、ウラシマソウと聞くと、あるCM思い出してしまって・・・。桃太郎と金太郎とかぐや姫・・・。

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4.12 無事だったコケリンドウ  
コケリンドウ

2011年の津波、2013年の台風と、2度続けて土壌流失して、絶えたと思っていたコケリンドウ、50cm四方に20-30株が丈2cmくらいになって小さな蕾を付けているのを見付けました。更に、近くではスナビキソウが災害前の7-8割まで回復して芽を出していました。

津波以前は、コケリンドウは沢山、スナビキソウもそこそこ見られたのですが、2度の災害で昨年はどちらも見る事が出来ませんでしたので、嬉しくなりました。

自然が自然のままであり続けると、たとえ自然災害があっても折り込み済みとばかりに、いずれ元に戻っていく。でも、人によって破壊されたり、手を加えたりすると容易に戻らない。猿知恵って言うけれど、「人知恵」も自然界においては似たようなもの。自然を知る猿の知恵のほうがマシなのかも・・・。

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4.9 フデリンドウ、あと一歩  
フデリンドウ

菜種梅雨のこの季節、ぐずつくのはわかりますが、こうも続くと、せっかく痩せ始めたのに元に余戻りそう・・・。あげくに雪まで降って、益々出不精になりそう。今日も寒くてお散歩どうしようかと思ったけど、山通いにはあと5kgの減量が必要、寒いと痩せるぞと考え、勇気を振り絞って出かけました。

花も全体に1週間程度遅れ気味。ヒトリシズカさえ、まだ出てこない場所がある。でもそんな中、キンランはだいぶ大きくなってきました。ホウチャクソウもちらほら咲き出し、アマドコロの芽も・・・。ほぼ平年通りに進み方。単子葉植物は気温の変動に無頓着なんでしょうか?

本来ならば3月末に咲くはずのフデリンドウ、やっとここまでこぎ着けました。晴れれば明日あたり間違いなく咲くでしょうけど・・・また雨の予報・・・また太る・・・。

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4.6 変わり映えはしないけど・・・イカリソウ  
イカリソウ

近所でこの時期の花の写真の定番といえば・・・ヒトリシズカ、フデリンドウ、イカリソウ。毎年撮影するから、いい加減、アングルも尽きて、ここ数年ずっとこんな感じ。草原にカメラ置いて不自然にならない程度にやや見上げるように撮る。丈が15cmくらいで花が下向きだから、他に撮りようがない。私の技量だと複数株入れてもごちゃごちゃするだけだし、他をボカしたら結局一緒。今年の違いは、日差しのないタイミングを使って色を落ち着かせたことくらい。
毎年同じだったら撮らなきゃいいじゃないと言われそうですが、そうはいかないのが不思議なところ。何故だかわからないけど、見に行かなきゃダメと相場が決まってます。

このあと、ジュニヒトエ、キンラン、タツナミソウ、ケブカツルカコソウ・・・何の意味があるんだと思うけど、その時期になれば自然と足が向く。きっと来年も・・・。春ってそんな季節。

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4.6 これがホントのキジムシロ  
キジムシロ

「キジムシロ」の名が「雉(きじ)」の「蓆(むしろ)・・・今日で言う座布団」に由来していることはよく知られていますが、その座布団状態になっている姿がこれのようです。中心部が葉だけで、花がリング状に付く姿です。

この植物、茎が四方に伸びて、茎頂に花を付けますから、みんなこうなってしかるべきなのですが、まわりの草などに邪魔されたり、株が重なったり、風に煽られたり、陽の向きだったり、果てはノウサギに食べられたりして、なかなか綺麗なリング状になってくれません。この写真のものも、南向きの緩い傾斜地にあり、斜面下側(写真左側)に茎が多く匍っていたので左右ちょっとアンバランス。

ここにキジが座ったところ、撮影したら受けるだろうな・・・と思うけど、キジが座布団に座る話は聞いたことがない・・・。

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4.5 菜種梅雨の日曜日は・・・  
イヌノフグリ

4月に入ってどうもお天気がすっきりしません。東京はサクラも散ってしまったと聞きますが、私のまわりは、開花が遅れた分、まだ多くは満開状態をキープしているので、妻とお花見でも行こうい思っていたのですが、このお天気では・・・。

昨日、イヌノフグリの撮影中、誤って茎をちぎってしまいました・・・絶滅危惧種なのに・・・。それに付いていた果実がはじけたので、無駄にしては申し訳ないので撮影してみたら・・・。半分に割れたような種子。扱いが悪くて割ってしまったかなとちょっとびっくりして調べてみたら、これでいいみたいです。

しかし、なんでこんな形になったのか、自然が作る造形って面白いもんだと関心してしまいました。この種、まだ未熟なようですが、罪滅ぼしに庭に蒔くだけ蒔いてみようと思っています。(写真の目盛りは0.5mm 1つの果実に15個の種が入ってました)

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4.4 イヌノフグリ 今度は道路に・・・  
イヌノフグリ

また、在来のイヌノフグリを見つけました。

今度は住宅街のふつうの道路。以前撮影した場所から500mほど離れた場所です。約20mほどにわたって、点々とあり、アスファルトと縁石の間に根を下ろしていました。すぐ側では、こういう場所が好きなヒメスミレも沢山咲いていました。

以前見つけた場所も、石垣や砂利が引かれた駐車場。オオイヌノフグリに追いやられたとも言われますが、今日見られる場所は、オオイヌノフグリが入り込めない場所ばかり。適地が違うのか、このような所に逃げ込んだのかは判りませんが、現在の場所は安泰のようです。ただ、どこもみんな住宅街のまっただ中。家を建て替えたり、道を直したりすれば絶えてしまう。オオイヌノフグリのせいにしているけど、人も減少の一因であることは間違いなさそうです。

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4.2 カントウタンポポがいっぱい?  
アイノコセイヨウタンポポ

カントウタンポポが沢山咲く谷津田があります。沢山といっても、土手などに点々と、100-200株くらいですが、ジロボウエンゴサクやタチツボスミレ、ミドリハコベといった春の定番の在来種がまわりに沢山ある、昔ならばありふれた、でも今は貴重な場所です。

ここの休耕田の1枚に、タンポポが大群生していました。カントウタンポポもこんなになるんだと大喜びしたのですが・・・。手前のほうは確かにカントウタンポポのようでしたが、進むと?????。総苞の姿がいろいろ。どうもセイヨウタンポポとの雑種みたいです。 ということはここは攻防戦の現場。手前は守るカントウ軍、向こうは攻めるセイヨウ軍、結果は・・・真ん中全部アイノコ軍。元となったセイヨウとカントウが死に絶えれば、ほとんど全部アイノコ軍・・・になるはず。人類だったら、このプロセス踏めば平和になるんだろうけど、タンポポはね。

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